こんな方におすすめ
- おひとりさま信託のデメリットを知りたい。
- 一人暮らしで「何かあった時」の準備をしたい。
終活をしていて「おひとりさま信託」が気になり調べました。
わたしは一人暮らしなので「亡くなった時に事後の処理を頼めるのであれば、関係する方々に迷惑をかけなくて済むなぁ」というのがきっかけです。
おひとりさま信託は死亡時に、火葬、賃貸の解約、保険、相続者に連絡、などを代行してもらえるメリットのある魅力的なサービス。
実際に真剣に加入を検討したなかで特にデメリットと感じる点を紹介します。
最終的に加入はしていません(条件を満たせず)。
おひとり様信託とは?
「おひとりさま信託」は死亡時に身の回りの対応をしてもらえる三井住友信託銀行の信託商品です。→おひとり様信託公式ページ
2021年のグッドデザイン賞を受賞するほどに社会問題に取り組むサービスとして認められています。
代行してくれること
一人暮らしで亡くなった時に心配な以下のことを代行してもらえます。
- 葬儀と埋葬
- デジタル遺品の消去
- 家財整理
- 訃報連絡
- ペットのこと
- その他も事前に相談して決めておけば可能
各項目について希望をデジタルのエンディングノート「未来の縁-ingノート」に記入して預け、事前に死後事務の委任契約を結び、亡くなった際に代行して作業してもらう仕組みです。
実際の作業は東京の三井住友信託銀行と同じ住所にある「一般社団法人安心サポート」が行います。
わたしが電話で問い合わせた際に「銀行自身がサポート業務を行うことができないため別の団体を作っています」と説明されたので、第三者団体ではなく三井住友信託銀行と関連している団体です。
信託の費用
申し込むために信託する金額は最低300万円から。
信託した際に必ずかかる費用が、新規設定時に33,000円、死亡時に110,000円、6,600円x契約年数、
例えば信託して10年後に死亡したと仮定すると基本の費用として209,000円がかかります。
ここまでは三井住友信託銀行への費用。
加えて、死亡時にエンディングノートで死後事務を委任した内容に沿って追加で費用がかかります。
こちらは一般社団法人安心サポートへの費用。
実際はどれくらいの死後の費用になるのか気になるので、三井住友信託銀行に電話で聞いてみました。(※正確な金額は安心サポートと詳細を打ち合わせる必要あり)
- 基本報酬 30万円
- 人が動く費用 11万円/人/回
- 直葬 30万円
- 散骨 20万円
- デジタル遺品の処理 3万円/デバイス
この金額から想定すると簡単に200〜300万はかかりそうです。
具体的な費用はエンディングノート「未来の縁-ingノート」を作成した後に具体的に算出するとのこと。
いずれにせよ、死亡までは300万(見積もり額が高ければそれ以上)を信託して動かせません。
おひとりさま信託のデメリット
私にとってのおひとり様信託のデメリットは以下です。
- 死後の処理しか頼めない
- 申込みに直接面談が必要
- 加入できる地域は限定される
死後の処理しか頼めない
おひとり様信託では生前に倒れた際の対応は扱っておらず、死亡時のみです。
自宅で倒れて自分で判断ができなくなった際や入院の対応が自分自身でできない場合は対応はしてもらえません。
認知症や植物人間状態になった際に代理で対応をお願いすることはできず、死亡までは自分自身で決めて行動する必要があります。
この点については生前看取りや後見人サービスなどの生前のサポートをしてくれるサービスもあります。→【終活】突然の孤独死で会社に所属していない一人暮らしが早く発見して貰う準備
申込みに直接面談が必要
三井住友信託銀行に申込時に重要事項の説明や間違いのない契約をするために面談が必要になります。
社団法人安心サポートとはオンラインでの面接でも可能なのですが、三井住友信託銀行が保有する専用デバイスを使用する必要があり、結局は三井住友信託銀行を訪問しないと契約できないとなります。
加入できる地域は全国ではない
結果として、わたしの住んでいる沖縄では加入できませんでした。
他の地域については分かりませんが、三井住友信託銀行がある都市圏でないと死亡した際には待ったなしで対応する必要がある仕組みが成り立たないからでしょう。
なので、お一人様信託に興味を持った場合は早めに電話で問い合わせて対応地域かどうかを確認した方が良いですね。
さいごに
今回は三井住友信託銀行のおひとりさま信託について調べたところ、ひとりぐらしで死亡時に直ぐに対応してくれる人が近くにいない場合は検討する価値のあるサービスでした。
ただし、死亡前の対応はしていただけないので、植物人間状態や痴呆の場合は価値はありません。
今回のことで、認知症や植物人間状態になった際の対応についても別のサービスを探していく必要性も学びでした。検索していると、一人暮らし向けの同様のサービスは乱立していて、日本ライフ協会の破産のような事例もあり、よく調べてから加入することが大事です。