こんにちは、しんじです。
私は、過度な終末期の医療には反対です。
自分の身体が思うように動かずに、やりたいことができなくなることが寿命と考えているからです。
病院のベッドの上でも、自宅の介護ベッドの上でも、やりたいことが出来ず、回復の見込みが低いなら治療をやめたい。
自分の意思が表明できる状態なら治療をしないと希望も出せます。
しかし、脳に損傷を負ったり、認知症になるなど、自分で意思を表明できなくなると治療が永く続く可能性があります。
そうなると、まわりの人の時間やお金を奪うことになるので、それだけは避けたい。
なので、リビングウィル(終末期医療における事前指示書)を作ることにしました。
リビングウィルについて
リビングウィルは英語のLiving Willと書き、Livingは生きていること、Willは遺言という意味。生き方についての遺言という意味で、死ぬ前の生き方について希望を書き留めるものです。
リビングウィルは死亡前の最後の時期の希望を残すことです。
リビングウィルで分かりやすい例をひとつあげると免許証や保険証に記入できる「臓器提供に関する意思表示」の項目で、「脳死や心臓停止した場合に臓器を移植していいよ」と希望を示せます。
この希望は言い換えると「植物人間状態になったら、延命治療はしなくていいよ」ということなのでリビングウィルのひとつと言えるでしょう。
わたしは免許証の裏に臓器を脳死後はすぐに使ってほしいに丸して希望していますし、それだけでなく延命治療も止めたいと考えリビングウィルを作ることにしました。
私は、日本尊厳死協会のリビングウィル登録をしましたが、手書きで残しても遺言書と同じく効果があります。
他にも「リビングウィル」で検索すれば色々なフォームが見つかります。松本市医師会のリビングウィルのPDFは図付きで分かりやすいです→http://www.matsu-med.or.jp/livingwill/
私が書いたリビングウィルの内容
ここから私が作ったリビングウィルから、どのような内容を指示できるのかをお伝えします。
まず、リビングウィルの基本は以下の3点です。
- 私の傷病が、現代の医学では不治の状態であり、既に死が迫っていると診断された場合には、ただ単に死期を引き延ばすためだけの延命措置はお断りいたします。
- ただしこの場合、私の苦痛を和らげるためには、麻薬などの適切な使用により十分な緩和医療を行ってください。
- 私が回復不能な遷延性意識障害 (持続的植物状態)に陥った時は生命維持措置を取りやめてください。
要約すると「延命治療はせずに痛みの緩和はして欲しい」との内容です。
この基本事項に同意して署名し、誰か一人に確認の署名を入れてもらい完成です。
私の希望表明書
加えて、「私の希望表明書」をつくります。
こちらはより具体的な自分らしい最後を迎えるためのもので自分の意志をより具体的に示す役に立ちます。
最後を過ごしたい場所(ひとつ選択)
- 自宅
- 病院
- 介護施設
- 分からない
私は、「病院」にチェックを入れました。なぜなら、病院以外で亡くなると検死などに手間がかかるからで、病院であれば医者がその場で検死すると完了して、手間を減らせるから。
私が大切にしたいこと(複数選択可)
最後の時期に重要視したい希望についてで、私は以下にチェックを入れ希望しました。
- できる限り自立した生活をすること
- 食事や排泄が自力でできること
- 静かな環境で過ごすこと
- 弱った姿を他人に見せたくない
自立した生活ができない状態になれば寿命だと思うので静かに過ごしたいし、その状態を他人に見られたいとも思わないのです。そして、周りの人には、死にかけている人に時間を使うのではなく各々の人生に大事な時間を使ってほしいと考えてることも理由です。
逆に、チェックを入れず希望しなかったのは以下です。
- 大切な人との時間を十分に持つこと
- 回復の可能性があるならばあらゆる措置を受けたい
自分で食べることができなくなり、医師より回復不能と判断された時の栄養手段で希望すること (複数選択可)
この項目は、何もチェックを入れませんでした。回復が見込めないなら点滴すらも止めてもらっていいと思うからです。
- 経鼻チューブ栄養
- 中心静脈栄養
- 胃ろう
- 点滴による水分補給
- 口から入るものを食べる分だけ食べさせてもらう
わたしは腸が悪くなり絶食して点滴だけで数か月の入院をしたとき、首から管を通す中心静脈栄養の経験があります。
そのときは手術して回復しましたが、もし回復の見込みが無いのであれば、毎日レストラン紹介雑誌を読み続けてしまうような食べ物を渇望する苦しい生活はしたくないのです。
4. 医師が回復不能と判断した時、私がして欲しくないこと(複数選択可)
治療方法や薬についての項目です。わたしは全項目にチェックしました。
- 心肺蘇生
- 人工呼吸器
- 気管切開
- 人工透析
- 酸素吸入
- 輸血
- 昇圧剤や強心剤
- 抗生物質
- 抗がん剤
- 点滴
治る見込みが無いなら、苦しいICUにも入りたくないし、基本的な治療の抗生物質や点滴も止めて欲しいのです。
この行為は「治療行為の中止」と呼ばれるもので、安楽死を認めている国では「消極的安楽死」とも呼びます。
治療を続けたくないと考えた経験
私は2度、腸の手術で長期入院したことがあります。入院時は絶食状態になり点滴だけで生き、鎮痛剤をいつ入れてもらうかだけを考える毎日で、このまま治らなかったらと不安で人生について考えることになりました。
でも、末期に治療を続けたくないと考えるようになったのは大部屋で同室に入院していた人たちをみたことです。
ガンで毎日痛みで唸って苦しんでいる人は、夜に看護師さんを何度も呼んでました。末期ガンだからか、毎日午後に入れ代わり立ち代わり家族がきて長時間いましたが本人は苦しいし話もできていない感じ。ある日、看護師さんがバタバタと動き回りベッドごと病室を出て行き、戻ってくることはなかったので亡くなったのだと思います。
腸が悪くて入院している人がいて、私が夜中にトイレに行こう廊下に出ると、床が血で真っ赤になっていて横にその人が倒れていたことがありました。看護師さんが走り回り、緊急輸血をしてその人は病室に戻ってきましたが、また数日後に血の海状態になり、処置をしている看護師さんの声からICUに移動したと分かりました。回復したのかはわかりません。
腸の手術をうけた隣のベッドの人は、手術後の数日間の絶食を終えて食事が始まった後に便が出なくなり苦しみだします。再度の絶食になり、痛そうに苦しんだ後に、再手術で人工肛門(オストメイト)に切り替えになりました。聞こえてくる話し声から、絶望的な気分になっていたようです。
入院していると、お医者さんや看護師さんには感謝の気持ちですが、そこまで治療をしなくても良いのではというボロボロの患者さんもたくさん見ます。
私自身も、入院していた時には頬がこけて生きている人とは思えないような見た目でした。
もし私があの状態で回復の見込みが無いのであれば、点滴を止めてもらい、腸が詰り死が早まることになっても、最後に口から食べて死にたいと感じるのです。
この入院時に考えたことがひとつの延命治療をしたくない理由です。
おわりに
今回はリビングウィル(終末期医療における事前指示書)を作った話でした。
リビングウィルを書いて登録したことで、人生の最後について考えることになり、今をより大事にしようと考えるようになる変化がありましたね。
ひどい状態になった時に、周りや家族に迷惑を最低限にできるはず、という安心感も得られました。(どこまで効力があるかや、保管の方法などは引き続き調べていきます)
今回の記事を最後まで読んで頂き有難うございました。終活のひとつとしてやる価値がとてもあったので、あなたもリビングウィルを書くことを考えてみてはどうでしょうか?
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