死ぬときはゆったりと自分の意志で安らかに逝きたいと考えています。病院で長期間の検査、手術、薬漬けになるのは絶対に避けたい。
そのために、自分自身で判断できない状態になったときのためにリビングウィルは準備済み→リビングウィル(終末期医療における事前指示書)を登録して過度な終末期医療を避ける準備する
ただ、心配性なので安楽死のことも調べておくことにしました。
積極的安楽死とリビングウィル
末期の病気や体の不自由さで回復の見込みがない際に治療を緩和的なものに切り替えるのが「消極的安楽死」といい、日本でのリビングゥイルで希望する治療を止めることがあたります。「積極的安楽死」は消極的安楽死で治療を止めるタイミングで医師の処方で死に至ることです。
スイスの、アメリカのいくつかの州、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、カナダ、オーストラリア、スペイン、ニュージーランドでは「積極的安楽死」を認めています。その中でスイスは外国人でも受け入れる団体があります。
残念ながら、日本では現状では「積極的安楽死」は認められていません。
スイスで日本人の安楽死が認められた例、私の感想
日本人でスイスの積極的安楽死が認められた「くらんけ」さんが話題になりました。こちらのAbemaTVの動画で紹介されているように、くらんけさんは難病で自分で生活することも難しい状況なので、スイスの自殺幇助団体に申請したのです。クランケさんの安楽死の要望は認められ望めばスイスで安楽死できる状況です。
くらんけさんはKindleの電子書籍で経緯や思い、そして積極的安楽死(本では「介助自殺」と表現)について権利を得るまでを説明してくれています。
この本からまず学べることは安楽死に種類があることで、以下の四つに別れます。
- 安楽死→医師による致死
- 介助自殺→医師が処方し、本人が服薬し致死
- 延命治療の中止
- 延命治療の不開始
スイスの場合は「介助自殺」になります。オランダなどは「安楽死」、日本では延命治療の中止が選べます。
著者のクランケさんは、スイスの団体から介助自殺を受け入れて貰え、死の出口が確保されたことで今をより積極的に生きれるようになったと書いています。また、自殺介助が認められた人の7割が実行していないとも。
この理由には私はとても共感できます。なぜなら辛い時に1番の苦しさは終わりがないと感じることだからです。今ならば、辛さに終焉はないが小さくなる可能性はあると言えますが、その時点では不可能でした。なので、もし死ぬ権利があれば、もっと早く辛い気分を減少させる活動に移れたと感じます。
著者のクランケさんがスイスの団体に申請する書類で入手に1番苦労したのが医師の診断書といいます。診断書は健康状態を書くだけで、自殺介助についてなんら言及することはなくても、結果的に刑法202条の自殺を幇助になる可能性があると医者が判断するからです。
私は医者に何度かかかった経験からは納得できます。病院に入院には同意書、CTを受けるにも同意書、手術には説明した記録と家族の同意。とにかく何かあった時への保険をかけることは徹底しています。医療はどれだけお医者さんが必死の手を施しても、予測不可能が起きる可能性があり、訴えられるリスクがあるからです。自殺幇助の可能性が無いと弁護士が説明しても、必要のないリスクを取りたくないのはお医者さんとしては普通でしょう。
本の中でスイスの自殺介助する団体の説明文を元にステップを詳しく説明されています。書類集めから承認まで7ヶ月かかったこと、安楽死を実行する際も渡航して2日間の待機があることなど、簡単には進められない仕組みになっています(外国人だけでなくスイス人も同じ)。
私が感じたのは、このステップを全て達成するには相当の時間と費用がかかるので強い意志と行動力がらないとできないであろうということ。逆に言うと、本気でやれば誰にでも道は開かれているとも言えますね。
おわりに
私は死にたいと思っている訳ではありません。過去に死にたいと感じるくらいに、私にとって辛い出来事はありましたが、復活してきました。
ただ、本当に身体が思い通りに動かない肉体的や精神的に回復が無い状況になった場合には、積極的な安楽死でゆったりと自分の意思で亡くなりたいとは考えています。
スイスにおいて日本人が積極的安楽死の権利を得ることは行動的にも金銭的にも簡単ではありませんが、可能性があること知ることは私にとっては安心につながりました。老後にベッドの上で苦しく長く過ごすためのお金の準備よりも、健康な状態でいられる年齢寿命をより大事にして、今に時間とお金を振り向けられています。